• ただ単に動物の図柄が選ばれているのではなく意味がある

    掛け軸の図柄に動物が描かれてい るのを目にしたことがあると思います。ここで、 数種類の図柄に選ばれる動物の意味を紹介したいと思います。最初は鯛です。古くから 河魚の長として、たたえられてきた鯛ですが、物語の龍門の足りは、急流を上ったのちに 龍になると伝えられていることから、 出世する魚として、多くの人が好む 魚となっています。次に、鯛の滝登りの図柄は中国の黄河上流にある龍門の急流を 沢山の魚が上 がれない中で、上りきった鯛は龍になるという伝説ありますが、 人の立身出世の登竜門は立身出世の関門となっています。

    そして、龍で猿ですが、昔から画題として選ばれているものとなります。動作と姿が 人と近いので、昔話しや伝説の主人公としても人気です。更にインドでは、 古くから神とあがめられ、仏教に聖なる猿の物語が多くあるのです。中央アジアでも、 中国に影響され古くから伝説が多くあります。テナガザルの系統も神とあがめられ、 もっとも白猿は神仙としてたたえられています。宗代頃から、猿と変わり猴が 神秘的なものとあがめられました。中国の奥地の山に住むものは、綺麗な黄金の毛や、 変わった容姿なので、沢山の伝説を持っています。

    孫悟空などは猴をイメージして作られたものとなっています。次は、鹿です。様々な 地方の神社で神の使いとしてあがめられていますが、春日社の信仰では、神が御蓋山に 影向にされた際の乗り物を表していて、神に値する鹿としてとても丁寧に あつかわれました。こういった土地では、鹿が野生のまま奉られていて、住民に までなりました。ならの公七福神の寿老人と一緒にいるのは1500歳になっている道教の 神鹿なのです。そして獅子ですが、日本のライオンと動議になっています。

    図柄に選ばれる動物
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縁起のいい物


中国の漢書では西域伝来の動物となっていて、今後の世の中の注釈書では、 虎や豹までも食べてしまうとされています。また、百獣の王と 表記されることがあり、その威厳ある姿は古い中近東などでも狩人にとても 好まれていた図柄です。前足を上げて立ち上がり、尻尾をあげて 口をあけている形が主流でした。法隆寺、正倉院にもそれと同じものがあります。 唐獅子は中国からの空想の生き物です。


頭部、顎部、尻尾が火焔上状に渦巻いている沢山の毛がある姿となっていて、 体と四肢にも数個の文様があります。九世紀の密教では、曼陀羅図でも もたら されていました。そして、海老です。海老の体の形が老人に似ていることから、 長寿 を祈願する際の縁起のいい物だと言われ、更に甲殻類で脱皮をするので、 新しい生 命の誕生の更新ということにも用いられることが多く、とてもめでたいものと なっ ているのです。このことも基礎的知識の一つになりますので、是非知っておきましょう。

縁起のいい物