• かなり繊細な修復工程により元の姿を取り戻す

    掛け軸の修復工程をご紹介します。ある 業者で行われた掛け軸の修復工程です。修復前の状態は劣化が激しく、本紙がばらばらの 状態で欠落していました。残った場所も、もろくてパラパラと落ちるような状態でした。 ばらば らになっているものを依頼者が1枚ずつ貼り付けて修復を行ってからの修復依頼でした。大切な人の肖像画だったので、元の用に修復するの は困難かもしれないが、なんとか修復したいという想いで依頼されたそうです。 最初は、にじみ止めの 修理を行います。修復の作業を開始する前に、最初は絵がかれている図柄を 作 業中に水分でにじんでしまうことがないようにきちんとにじみ止めをつけていきます。

    ドーサ液などを使用し、筆で絵の輪郭をなぞるように丁寧に内側から塗っていく作業を 行う必要があります。そして次に、裏打ち紙と地色合わせに移ります。修復の方法には、 とても多くの方法があるのですが、資料の情況を見て、一番適した方法を行う業者が 多くいます。先に紹介した資料は、損傷の状態がとても酷いので、欠損部のあてがいを 行う裏打ちを行うことにしたようです。ですが単純に本紙の裏に新しい和紙を つけるだけでは、欠損部がとても多くあるので、残った部分との違和感が出すぎてしまうので、 資料を可能な限り元の状態に戻すための工程を行ったようです。

    その方法は、本紙の地色に適した裏打ち紙を作成する工程から開始しなければならないのです。 そして次は、本紙の修復作業に移ります。掛け軸を修復する際には、裏面の元からあった 裏打ち紙をはがして行く工程を行います。通常は、本紙に近い場所から、肌裏、増し裏、 総裏の似そうになっているのですが、保護紙が貼り付けられているものであったので、 それからはずす必要がありました。

    修復工程
    修復工程
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繊細な作業


細くなり薄くなってしまった本紙の裏押し紙を取りながら重なってバラバラの状態に なっていたものを、元の姿に戻せるように並べて形を丁寧に整えます。 さらに、足りない部分は本紙と同質で同圧の動色の補紙をあてて、裏打ちを行う時に 段差が出ないように丁寧に行います。資料の劣化がとても目だったので、 とてももろくなっていて繊細な作業になるのです。そして、裏書の修復を行います。


そしてつけ廻しの作業になります。これは、仕立ての作業になります。 掛け軸を仕立てる際には、裂地の種類の組み合わせによって様々な物になるのできちんとした 物を選ぶ必要があるのです。このように素人では修復が不可能となったものでも、 優秀な業者に頼む事が出来れば、 より元の状態に近づけることが可能なのです。値段は多少かかってしまいますが、あまり安い業者に頼んでしまうと 失敗する恐れもあります。大事な掛け軸ですので、信頼できる業者を口コミサイトなどでしっかりと探し出すことが 重要です。詐欺まがいの業者も多く、被害が絶えないですし、業者自体が本物と思っていても偽物、ということも 多い世界です。

繊細な作業